アンネの日記★その3

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アンネの日記を読んで・続

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コマテキスト(反転)

アンネの日記の初版(または児童向け)のものには、内容が過激という事で削られた箇所がある。

特に母親への過激な批判。

これ、反抗期の娘さんが読んだらすっきりするだろうなぁ…

 

率直すぎる性への関心

おおすがすがしいほどにあけっぴろげだ…!

これは削られるねさすがに

 

同じく隠れ家生活を共に過ごす少年との淡いロマンス

やだわ~

アンネったら最初は眼中にないって言ってたのにー

 

………………………

 

アンネの言葉はその内容が何であれ、とても潔く綴られているのが印象的でした。

アンネの批判精神は他者に対してだけでなく、もちろん自分にも最後までたゆまなく向けられていましたが、それらは落ち込むためのものではなく、自分の落ち度を見つめてこれから自分はどうしたいのか、どうしていくべきなのか、常に前を見据えて考えられていました。


私は眩しい人を見る度、天才と凡人の違いって、もう本当に頭のつくりから違っていて、普通の人が悩むようなことで天才は頭を悩めたりしないんだろうなぁって、ずっとどこかで偏見を持っていました。

 

けれどアンネの日記には、ごく一般の思春期のこどもたちが成長していくうえで必ずぶちあたる葛藤や苛立ち、不安が等身大のままに生き生きと描かれており、非常にヘタレだった私と賢いアンネの決定的な違いは、(文才を除いたら)その諸々の問題に対して、視線を逸らしたかそうでないかにあると激しく痛感しました。

 

アンネも、落ち込まなかったわけじゃないんです。

自分のいたらなさに激しく葛藤したり、戦争の進行と、それに伴う隠れ家生活の状況の悪化にひどく不安を抱いたりすることもたくさんありました。

それでも、それに悲観して絶望することだけは絶対に間違っているし、どんな状況においても、やっぱり人間の本質は善である、と熟考の末信じていました。

 

本当に、非常に勇気を与えられる作品です。

アンネの夢は作家かジャーナリストになって、物を書くことを通して「死んでもなお生きつづけること」でした。

この日記を読むことで、本当にアンネに会えます。

そして平和の大切さや、ひとりひとりがどう自分と向き合い、成長していくべきかを一緒に考えてくれます。

本当に素晴らしい本なので、機会があればぜひ読んでいただきたい一品です(*^▽^*)

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